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日々是チャンコ生活

The Tower of AIONのイズ鯖(カイジ出身)にてまったり宝石をひっこぬいたりしているチャントウィング、星藍の、どうでもいいけど愛しい日々の記録。

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The Mass for Deva 1.credo

Posted by 星藍 on   2 comments   0 trackback

僕の兄さんは、一言で言うならば不思議な人だった。

そして誰より敬虔で、誰より頼もしく、
男に対する形容詞としてふさわしくはないのかもしれないが、



誰よりも、美しかった── 。



─ The Mass for Deva 1.credo ─




「月都(つきと)。月都?起きてください。」

「……!」

昼下がりの賢者の図書館で、月都は人生最大の失態を犯した。
居眠りを、したのである。


ディーヴァとして覚醒してもう何年になるか…。
故郷の村に暮らしていた頃の同年代は、とっくに亡くなっていると聞く。
覚醒から、ざっと100年近くは経つだろう。

エリュシオンに住むことになって故郷を離れる心細さと、ディーヴァとして
生きる、途方もない永遠の時間の重みに耐えかねたとき、彼を救ったのは
賢者の図書館に納められている膨大な量の本だった。

もともと向学心があり、故郷の村に住んでいたときも、ゆくゆくは都会の学校に
通って知識を身につけたいと考えていた月都である。
そこはまさに、彼が求めていた宝の山といっても過言ではなかった。

そんな彼にとって、図書館の蔵書のすべてを把握しているとさえ言われる、
雑学博士のヴァトーニアはまさに師であり、そして、密かに思慕する
憧れの女性でもあった。


その彼女が、わざわざ自分にと薦めてくれた本を読んでいる最中に居眠りなど…!!
月都は今にも、エリュシオンの外港から身を投げたい衝動に駆られた。


「ヴァトーニア様、も、申し訳ありません…!!」

月都は飛び起きると、直立の姿勢から深々と頭を垂れた。

件のヴァトーニアはといえば、自分よりも遥かに上背のある月都が、
申し訳なさそうに縮こまっている様がおかしくてたまらないようだ。
鈴の音の声でコロコロ笑うと、月都に着席を促した。

「よいのですよ、月都。怒っているわけではありませんもの。」

「そ、そうですか…。」

月都はほっと胸を撫で下ろしたが、それもつかの間。
先ほどよりも、一層慌てる羽目になる。



「…疲れているのではありませんか?月都。」

心配そうに顔を覗き込んでくるヴァトーニア。普段は上から見下ろしているため
やや距離のあるその美しい顔が、今、こうして椅子に座っている自分の、真正面にある。

顔と顔が、近い。

(………っ!!!)

ボッと音でもたったのではとないかと思うほど、月都は赤面した。

「月都…?」

「いえっ、なんでもありません…!」

あわてて視線をそらした月都の頭を、ヴァトーニアは優しい手つきで撫でた。

「ディーヴァは風邪程度の感染力の弱い病気にはかからないと言われていますが…。
疲れがたまれば、人間の時と同じように調子が悪くなることもあるのですよ。
今日はもう、おうちに帰って休むのがよいでしょう。」

笑顔の天使による死刑宣告。

「月都は私と同じく本の虫ですからね。帰ってから根を詰めてはいけませんから、
この本は私が預かっておきましょう。しおりをはさんでおきましょうね。」

ぱたん。と、軽い音を立てて本は閉じられ、笑顔のヴァトーニアに見送られて
月都は賢者の図書館を後にした。明日、また続きを読みにいらっしゃいという
女神の声に、弱々しく手を振りながら。


***************************************



(兄さんのせいだぞ…!!)

聖なる道をとぼとぼと歩きながら、月都は心の中で悪態をついた。

昨夜、夢の中に兄が出た。
それもディーヴァになる前の、人間の頃の兄だ。

あまりにもはっきりと、まるで生きているかのような鮮明な映像に
月都は跳ね起き、治まらない鼓動のまま、結局眠れず朝を迎えた。


月都の兄、星藍(せいらん)。人間の頃の名前はセイジュ。
その兄は、昨年、アビスでの任務中に消滅したという。


(消滅って…なんだよ…)


夢の中の以前と変わらぬ穏やかな笑顔が、無性に腹立たしくなる。

月都は、兄が大好きだった。
月都だけでない。すぐ下の弟の乱月(らんげつ)、その下の双子の妹たち
希蘭(きらん)と星花(せいか)も、セイジュのことが大好きだった。

セイジュがアリエル神直属のレギオンに所属する際、身元を隠すために
星藍という名前を賜った時も、彼にならって全員で人間のときの名前を捨てた。

ディーヴァとして、重要な任務を請け負うことになった兄を生涯支えようと
弟妹(きょうだい)一丸となって覚悟をしていた。



(それなのに、兄さんはどこに行くかも告げず、どこか僕たちの知らないところで
死んだ!!)



主神直属の秘密レギオンの任務だ。家族とはいえ、守秘義務があることくらい
月都にもわかっている。

だが、わかっていても、どうしても許せなかった。
生きていて、欲しかった。


(僕では兄さんになれないんだよ…。兄さんに、なれないんだよ……)



争いが嫌いで、虫も殺せなかった心優しい弟の乱月は、どうしても兄が消滅したと
信じられないといって、情報を得るために西風のディーヴァの部隊に所属し、
インタルディカ方面に出向している。
キシャル族にレパル団、さらには潜入してくる魔族や龍族のインドラト軍など、
強大な敵がそこかしこにいる危険な地域だ。エリュシオンにいる月都でさえも
その脅威を知っているのに、実戦部隊に配属された弟はどれほどの苦労をしているのか…。

甘えん坊だった双子の妹たちも、希蘭はキュアウィングとして、星花はスペルウィングとして
エルテネン方面で活動するディーヴァのサポートを行っている。
つらいこともあるだろうに、弱音ひとつ吐かずに、懸命に任務をこなしている。


(星藍兄さんなら、弟妹たちになんて声をかけるのかな…。)


いつしか月都の足は止まり、神聖衣装店の前にいた。
ふと顔を上げれば、ショーウィンドウには色取り取りの衣装が
飾られていた。ウィンドウに写るその顔に、一瞬、ハッとする。


(にい、さん…?)


しかし、それは自分の顔でしかなかった。
兄によく似た目元の、敬愛する兄と同じにしたくて伸ばした長い髪の、
自分の顔でしかなかった。

(兄さんは、希蘭と同じく自然とウェーブする髪だったんだよな…。
かあさん似だったな。僕と乱月と星花は父さんゆずりのまっすぐな髪で…。)


幸せな、子供の頃の思い出。
もう失って随分経つというのに、どうしてこんなに鮮明に思い出せるんだろう。


(………帰ろう。)


待つ人のいない我が家へと、月都は再び歩き出した。



なんとなく書こうと思いたち、なんとなくプロットを書いていたうちのメインキャラ5兄妹たちのお話です。
ディーヴァはキリスト教的な天使や悪魔ではないけれど、羽の生えてる人といえば天使だろ!!という日本人の残念な感性により、テーマはミサ曲でいくことにしました。
1回目の今回はcredo、信仰宣言。

内容的には、完全に兄へのラブレターになっちゃいましたがwww
最初はこんなブラコンにするつもりじゃなかったんだけどなぁ^^;
書いてるうちにどんどん暴走していってしまったので、もうこのまま
突っ走っていただこうと思います。

メインキャラではあるけど、星藍はどこか人間離れしている、妖精のような、
精霊のようなイメージを私が持っているので、彼の一人称の話ではなく、あえて
第三者に語らせる手法で書いてみることにしました。

小説もどきを書くのが久々なので、色々お見苦しい点も多いと思いますが、
もしよろしければお付き合いください(´д`)
(誤字脱字等ありましたらこっそり教えてね!そのままのほうが恥ずかしいからね!ww)

今まで引越しのバタバタがあり、みなさんからのコメントをケータイから読んではいたのですが、返事を打てずにおりました><やっと落ち着いてネットできる環境になったので、前記事へのコメント返信は近日中に必ずいたします!!

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